・出勤時、いつも腹痛がひどくなる
・子どもが不登校になってしまった
・夫婦でいつも必ず言い合いになる、など
問題が起きているとき、
「なぜ、それは起きるのか」
「そもそも、本人の性格にどのような問題があるのか」
など、原因や過去を深堀りして、追及すること(=問題志向)があります
カウセンリングでは、必要であれば、もちろん時間をかけて傾聴し、一緒に考えていく姿勢を大切にすることもあります
しかし、急を要するケースや、コスト重視を強く希望されるケースでは、なるべく『効果的・効率的な援助』を求められます
このようなとき、少し視点を切り替えることもあります
今回は、そのような考え方『ブリーフセラピー(短期療法)』のご紹介です
”問題志向”⇒”解決志向”
”問題志向”とは、原因を追究するので、長期のカウンセリングとなるケースもあります。例えば、性格や育った環境など、丁寧に振り返ることで、探していくものです。
”解決志向”は、原因を追究するより、その問題行動を引き起こす「環境」について考えていきます。問題とその解決は別のものと捉えます。
具体的な事例でご紹介します
<部下のミスに悩む上司のケース>
部下のミス(問題)⇒上司のかかわり、という職場環境を考えます
まずこのとき、部下のミス(問題)は時には良い状態もあるのか(ミスをしない)という、「例外」を探します
そして、その有無によって、上司がどのようにかかわっているかを、なるべく具体的に探します
①例外(良い状態)があるとき
・他愛ない会話など、声かけをしていた
・定期的に確認をしていた
・できたことに感謝を伝えていた、など
これを「いつ」「どこで」「どのように」など、5W1Hに当てはめるように、確認します
それがわかれば、この例外を増やす(=例外の拡張)を行うことで、問題を減らすという考え方です
②例外(良い状態)がないとき
・「今回はミスしないように」と先に注意を促していた
・ミスに対し、叱咤激励を必ず行っていた
・細かいチェック表を渡すなど、ミスの徹底改善に努めさせていた、など
これも、なるべく多く行っているものについて確認します
それがわかれば、その対処をやめることで、悪循環を断ち切るという考え方です
大切なことは、次の2つの明確化です
①目標の明確化
解決したいことは何か
②解決像の明確化
解決すると何が変わっているのか
それぞれを明確にしておくことで、本人の意識づけを行い、行動変容を促していきます
病気を治すことは大切です。
そして、病気と上手く付き合っていくことも、大切だと受け止めています。
『ブリーフセラピー』の考え方は、問題との付き合い方を考えていく、ひとつの方法として、カウンセリングの中でも、活用させていただいております。
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