ピアノの練習では
毎日同じ曲を
何度も何度も弾いていました

弾きたいと思っていた曲ではなく
先生から与えられた課題曲は
どうも心が弾まなくて
技術は練習するごとにあがっても
なかなか気分はあがらないこともありました

先生からも
「上手に弾けてるけど、なんか楽しそうじゃないねえ」
と言われたので
素直に打ち明けると
「ちょっとそこ座ってて」
と、先生が弾いてくれました

同じ曲
同じテンポなのに
自分が弾いて耳にする音とちがいました

「どう?なんか違う?」
と先生に尋ねられ
考えて答えたのは
「なんか音が弾んでる、跳ねてる感じする」

音符記号ではなく
なにか音のひとつひとつの
強さ・速さ・なめらかさなど
表現は難しいですが
単純に言うと
「楽しそう」

「この曲嫌やなって思いながら、楽譜見てるやろ?」
先生からの指摘どおり
毎日「嫌やな」って思いながら
弾いていました

「先生はな、この曲、教室のおしゃべりみたいで楽しいって思ってるねん」
たくさんの和音があり
リズムもいろいろ変わり
指をたくさん動かすその曲を
先生は小学生の私にそう教えてくれました

その後
私も教室のおしゃべりをイメージしながら
「あ、ここは男子が騒いでる」
「このへんはみんなで笑ってる」
と小節ごとに感じながら弾くと
いつの間にか好きな曲のひとつになりました

同じものも
想像や見方を変えると
異なる感じ方になる

苦手なこと
不快なこと
たまには想像豊かに
向き合ってみると
得意に変わることもありますよ

映る手が弾く曲は同じ曲でしょうか

投稿者プロフィール

古坂禄子
古坂禄子くれたけ心理相談室(生駒支部)心理カウンセラー
今日もご覧いただきありがとうございました。
「わかる」「安心する」「和む」をテーマに、日々綴らせていただいております。今日も皆様の心に届き、お役立ていただけますように。
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