入社半年後

春の桜から　半年
新しい　リクルートスーツに　身を引き締め
迎えるはずの　入社式も
今年は　行われなかった
ネクタイ姿で　颯爽とオフィス街を歩く
そんな自分を　思い描いていたのとは　かけ離れ
作業着姿で　機械操作の毎日
週末は　会社帰りに
学生時代の友達と　飲むはずだった　楽しみも
まさかの　地方配属で
仲間のいない　孤独な毎日

『思っていたのと　全然違う』

社員寮から　徒歩１０分の通勤
立寄る場所なんか　途中にもなく
簡単な自炊と
スマホの世界だけが
帰宅後の時間

『思っていたのと　全然違う』

小さな　営業所は
１０名にも満たない
若手と呼ばれる　先輩も
自分よりは　１０近く年上
「何でも聞くように」と言われても
誰もが　忙しなく
声をかけても　一瞥されるだけ

『思っていたのと　全然違う』

都市部配属の　同期と比べ
もう仕事を任されて　楽しそうな
地元の友人と比べ
なんで　自分だけ・・
なんで　自分ばっかり・・

『思っていたのと　全然違う』

～そんなあなたへ～

思い描いた世界と
違う現実の毎日に
ショックで
寂しくて
焦って
悔しくて
腹立たしくて
誰にも理解されなくて
やり場がなく　消化できず
この　秋晴れの空ですら
疎ましいのですね

「今」を受け入れることができないと
「未来」を見ることは　とても難しい

あなたの　心の塊は
ひとりじゃ　もう動かせないくらい
冷たく　重たくなってしまったね

その塊　一緒に　外へ運び出そう
そして　一緒に　大好きなあなたを見つけよう
「今の環境」ばかり　見てしまうあなたは
眉を　ひそめているけれど
「未来の自分」を　思い描ければ
無邪気に輝く　優しい笑顔であることを
わたしは　信じています
そのお手伝いのために
秋風にのって　あなたのもとへ　まいります。。