はばたく前の瞳の鳥

曇った ガラスに
小さな「〇」を 指で描いた
中を 拭うと
自分の 片目が 映って見えた

わたしは もっと 大きいけれど
見えているのは 瞳だけ
心もとない 片目のまなざし

私ができることなんて
こんなに ちっぽけなのかな

また ガラスの瞳が 曇りそうになったので
今度は 大きく 手を動かし
拭った

切ったばかりの 髪で
まっすぐに向いた 顔は
少し 凛とした表情で
両方の瞳は さっきより 決意を感じる

曇った 気持ちは
自分の手で 拭えば
こんなに 可能性は見えてくる
口ずさめば 曲が聴こえる
腕を伸ばせば 幸せはつかめる

曇りガラスに
今度は 文字を書いた
「大丈夫」

投稿者プロフィール

古坂禄子
古坂禄子くれたけ心理相談室(生駒支部)心理カウンセラー
今日もご覧いただきありがとうございました。
「わかる」「安心する」「和む」をテーマに、日々綴らせていただいております。今日も皆様の心に届き、お役立ていただけますように。
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