これから始まる春の道

今年は

すでに葉桜の場所も

多いかもしれませんが

この季節は

入社、入学、入園と

新たな門出を

祝福するかのように

桜の花吹雪が

陽光とともに

降り注いでくれる印象が

ありますよね

 

私にとって

最も印象深い桜吹雪は

初めてのわが子の入園式です

 

もうずいぶん昔となりますが

まだ生後7か月に満たない子を

抱っこして

ふたりで保育園まで

歩いて行った桜並木道です

 

まだ少し

肌寒い風は吹くものの

朝の陽ざしに

照らされながら

ゆっくり向かったことを

記憶しています

 

当時

私は出産後

育児に疲れていました

本当に寝付かなくて

夜中も泣きどおし

日中に寝てくれるかと思いきや

抱っこしていれば眠っても

布団に置くとすぐに泣きだす始末

昼夜を感じさせようと

日中は

公園など外へ行きました

でも私がベンチに座ると

また起きて泣くので

ずっと歩き回りながら

涙を浮かべていた日が

続きました

時折

「かわいらしいねえ」

と声をかけてくださる方の言葉さえ

腹立たしさや切なさを

感じてしまっていました

 

毎日毎日

朝も昼も夜も

腕が重く

体はだるく

頭がぼぉっとなっている日が

ほとんどでした

 

勤めていたので

育児休業を

入園するまでいただいていました

(保育園にさえ預けれれば、解放される!)

あの頃の私は

とにかく早く

復帰したくて

子どもと二人きりの空間から

逃げ出したくて

仕方なかったのだと思います

 

そうやって迎えた

入園式

久しぶりに

きちっとした身づくろいをすると

自分の内側から

プラスの感情が

沸き起こってきました

望んでいた解放感はもちろん

清々しさや意欲など

まるで

自分を取り戻していくような

気持ちになりました

 

向かう道中

「桜がきれいやねえ」

と、腕の中に声をかけると

じっと上を見ながら

にこ~っと笑顔の表情を

浮かべてくれました

すると

なぜか

唐突に

目頭がじぃんと熱くなり

涙が溢れてきました

 

そして

無意識に

思わず漏れていた言葉が・・

 

「ごめんね」

「ごめんね・・」

 

仕事復帰や

保育園に預けること

に対してよりも

解放されることを

待ち望んでいた自分に対し

これまで感じたことのない

罪悪感が

こみあがってきました

 

涙を拭う私の顔に

小さな小さな手が

伸びてくると

横風がちょうど吹いて

私の髪や

腕の中の小さな頭に

花弁が降ってきました

 

昨夜までの苦痛や

苛立ち、不安が

いつのまにか

薄れていくようでした

 

入園式には

たくさんの親子が

いらっしゃいました

その姿に

(ああ、私だけじゃない。この子だけじゃない)

そう感じ

安心していったことを

今も思い出します

 

入園式の日が

私自身にとって

本当の意味で

親としての自覚が

やっと生まれ

始まった1日だったのかもしれません

 

 

今春

新たに入られた皆さん

それは

皆さんにとって

特別な日であると同時に

ご家族にとっても

きっと特別な日であることを

感じてもらえると幸いです

 

どうか

良い春のスタートを

感じあえますように。。

投稿者プロフィール

古坂禄子
古坂禄子くれたけ心理相談室(生駒支部)心理カウンセラー
今日もご覧いただきありがとうございました。
「わかる」「安心する」「和む」をテーマに、日々綴らせていただいております。今日も皆様の心に届き、お役立ていただけますように。
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