母の始まり

自分が 「母」 という存在に なった日

想像していたような 感動や感慨深い気持ちは
想像以上の 痛みで
産声を聞いても
顔の横に 小さな頭を見せてもらえても
うなづく以外 反応できなかった

なんだか とても
「いけない親」のような
申し訳ないような
変な後味を 病室に戻ってからも 感じた

初めて 授乳をしたとき
「愛しい」と 感じる前に
不思議な 生き物のような 感じがしてしまい
また
「ごめんね・・」と
苦笑気味に 心でつぶやいた

だけど
私の親指を 握ろうとする
あなたの その手は
「あ、私がそばにいてあげないと」 と
ぎゅっと 心までつままれたくらい
小さくて とても とても 小さくて
あたたかかった

「母」という 実感は
いろんな人から 教わるけれど
いちばん 教えてくれたのは
その ちいさなあなた なのでした

投稿者プロフィール

古坂禄子
古坂禄子くれたけ心理相談室(生駒支部)心理カウンセラー
今日もご覧いただきありがとうございました。
「わかる」「安心する」「和む」をテーマに、日々綴らせていただいております。今日も皆様の心に届き、お役立ていただけますように。
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