色づく秋と乙女心

ハンドルを 握り
前を 向いている
見慣れた 横顔
その横顔の 奥には
赤や黄の 鮮やかに色づく
楓や モミジの 紅葉の山並み

さっきまで 窓の外の景色に
色めきだっていた 私の視線は
ふと
隣の横顔に 止まったまま

こんなとこに シミあったかな
風に少しなびいた前髪は こんなに細かったかな
襟もとからのぞく首には ちょっとしわが 出てるかな

少しずつ 気づかないうちに 重ねた年月
こんなふうに 歳をまた重ねるんだなあ

「ん?どした?」

チラリと こちらを向いた目は
笑うと 目じりに しわが出るけど
眼差しの 温かさは 変わらない

「べ~つに。」
片思いの 少女のような
気恥ずかしさを 淡く感じながら
目をそらした
去年と同じ 秋晴れの 日曜日

投稿者プロフィール

古坂禄子
古坂禄子くれたけ心理相談室(生駒支部)心理カウンセラー
今日もご覧いただきありがとうございました。
「わかる」「安心する」「和む」をテーマに、日々綴らせていただいております。今日も皆様の心に届き、お役立ていただけますように。
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